











1807年 オランダ ユトレヒト 小文字年号(Small Date) 1ダカット金貨 【 NGC MS63 TOP POP 】
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希少性を左右する“スモールデート” 1807年オランダ王国発行ダカット金貨
1807年、オランダのユトレヒトで発行されたダカット金貨。ナポレオンによって大きく変わったヨーロッパの情勢を今に伝える、貴重な1枚です。
このコインが発行された当時のオランダ王国は、ナポレオンの弟ルイ・ナポレオンを国王として擁立したフランスの衛星国家でした。1806年から1810年までのわずか4年間しか存在しなかったため、1807年発行のダカット金貨は、その短命な政体を象徴する歴史的価値の高いコインといえるでしょう。
このコインにはさらに注目すべき特徴があります。それは、年号の「1807」における文字の大きさと形状の違いによって分類される2種類のバリエーションが存在する点です。今回ご紹介する「スモールデート(Small Date)」タイプは、より発行枚数が少なく、希少性が高いことで知られています。
ナポレオン時代という特殊な背景に加え、こうした細部の違いが、コレクターの間で高く評価されているポイントのひとつです。
歴史性と希少性を兼ね備えた、まさに“知る人ぞ知る”魅力ある1枚といえるでしょう。
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統治者 | ルイ・ナポレオン・ボナパルト |
---|---|
デザイナー | 資料なし |
カタログ番号 | KM# 26、Fr# 325、Delmonte G# 1176A、Scholt I# 118a、118b |
表面のデザイン | 剣を持つ騎士 |
表面の刻印 | CONCORDIA RES PAR:CRES:TRA. |
裏面のデザイン | 碑文 |
裏面の刻印 | MO : ORD PROVIN : FOEDER : BELG ・ AD LEG ・ IMP. |
エッジのタイプ | スラント・リーディッド |
エッジの刻印 | - |

1807年 オランダ王国発行1ダカット金貨の概要
本コインに描かれているのは、通称「スタンディング・ナイト(金の騎士像)」と呼ばれる伝統的なデザイン。この騎士像は、16世紀からオランダの自由と独立を象徴する存在として広く用いられてきました。
右手に掲げた剣は、自らの手で国を守る意志と軍事力を、左手に握られた7本の矢は、ホラント州、ゼーラント州、ユトレヒト州、ヘルダーラント州、オーフェルアイセル州、フローニンゲン州、フリースラント州――オランダ連邦を構成する7つの州の結束を示しています。
騎士像を囲むように刻まれた、ラテン語の格言「CONCORDIA RES PARVAE CRESCUNT(小事も団結によって成長する)」は、共同体としての連帯を重視した当時の思想を反映しています。
裏面には、厳かな碑文が刻まれています。
「MO ORD PROVIN FOEDER BELG AD LEG IMP」とは、直訳すれば「帝国法に基づく、ベルギー連邦州議会の貨幣」を意味し、当時のオランダの政治体制や自治への誇りが感じられる部分です。
また、コインのもうひとつの魅力は、年号部分の「7」の書体違いによるバリエーションです。スモールデートタイプでは、「7」が直線的でコンパクトに描かれており、一方、ラージデートでは「7」の下部がやや丸みを帯び、書体に違いが見られます。
今回ご紹介するのは、より発行数が少なく、コレクター市場で高く評価されている「スモールデート」タイプ。ユトレヒトで生まれた希少なダカット金貨として、歴史にその名を刻んでいます。

歴史的背景
オランダは古代から中世まで、ネーデルラント(低地)の一部とみなされてきました。現代のオランダに通じる国家の礎となったのは、1579年に北部7州で結成されたユトレヒト同盟でした。この7州は、コインに描かれる7本の矢に姿を残しています。
その後、ハプスブルク家の統治下にあったオランダは、1581年にスペイン王の統治を排除。1648年にはネーデルラント連邦共和国として正式な自治を獲得し、黄金時代と呼ばれる経済的繁栄を迎えます。
東インド会社を中心とした交易により、オランダは世界屈指の海洋国家としてその名を轟かせました。
しかし18世紀末から、ヨーロッパ情勢は再び大きく揺れ動きます。
フランス革命、そしてナポレオンの台頭――その余波はオランダにも及び、1795年、フランスの支援と影響を受けて「バタヴィア共和国」が誕生。形式上は独立国家ながら、その実態はフランスの勢力下に置かれ、オランダの国家主権は大きく揺らいでいきました。
そして1806年、ナポレオンの弟ルイ・ナポレオンが王位に就き、「オランダ王国」が成立。表向きは王国としての体裁を整えつつも、フランスの強い影響を受け続けたこの政体は、わずか4年で終焉を迎えます。
本コインが発行された1807年は、まさにその“束の間の王国”の最中。
そして1810年にフランスへ正式に併合されたものの、ナポレオン没落後の1813年には独立を回復し、オラニエ家の復権とともに、現在のオランダ王国へとつながる道を歩み始めます。
市 場 価 値 - 今後の動向は?
ヨーロッパ近代史の節目を象徴し、オランダ王国という短命政体の貴重な証として生まれた1807年ダカット金貨。その中でも、今回ご紹介する「スモールデート(Small Date)」タイプは、発行枚数が限られ、市場に出回る機会が極めて少ないことで知られています。
コレクター市場において、このコインは単なる希少品という枠を超え、以下の理由から安定した人気と評価を集め続けています。
まず、美術品としての完成度。16世紀以来続く伝統の「金の騎士像」は、その緻密なデザインと象徴性の高さから、多くのコレクターに愛されています。
次に、歴史的背景の魅力。ナポレオン時代、オランダ王国という特殊な時代背景が、このコインに唯一無二の価値を与えています。
そして、資産価値の側面でも注目に値します。高品位(.983)の純金で製造され、かつスモールデートという希少性を併せ持つ本コインは、コレクションとしての満足感はもちろん、将来的なリセール価値の面でも十分に期待が持てる逸品です。
さらに今回の個体は、NGC社で鑑定されたものの中でも、わずか6枚しか登録されていない希少な一枚。そのうち「MS63」は2枚のみで、これが現時点での最高鑑定(TOP POP)となっています。希少性だけでなく、状態面でも市場最高水準を誇る点は見逃せません。
近年、アンティークコイン市場ではナポレオン関連やヨーロッパ近代史に関わる希少コインの需要が高まっており、本品のような高鑑定グレード(MS63)の個体は、海外オークションを中心に安定した高値で取引される傾向にあります。
わずか4年間、地図にその名を刻んだオランダ王国。
その時代に生まれたこの1枚は、「オランダ人になりすぎた」とナポレオンに揶揄された、弟ルイ・ナポレオンが残した、束の間の王国の証――その確かな証を、ぜひご自身の手で確かめてください。