アンティークコイン用語集

アンティークコインの世界には、専門的な言葉が数多く登場します。 わからない言葉や気になる表現があれば、こちらをご活用ください

鑑定会社

NGC
Numismatic Guaranty Company。世界最大級の第三者鑑定機関。
PCGS
Professional Coin Grading Service。NGCと並ぶ権威ある鑑定会社。

貨幣グレード

PF(Proof)|プルーフ
鑑賞用や記念発行として、特別な製法で製造されたコインのこと。通常の流通を目的として製造されたものではない。NGCでは「PF」、PCGSでは「PR」と表記される。
PL(Prooflike)|プルーフライク
プルーフ貨として製造されたものではなく、ミントステイトとして製造されたもの。製造開始の初期段階にプルーフ状の仕上がりを呈したコイン。
MS(Mint State)|ミントステイト
通常打刻で製造されたコインのうち、流通による摩耗が見られない未使用状態のものを指す。 発行時の輝き(ミントラスター)を保っているのが特徴で、保存状態に応じて MS60からMS70の数値で評価される。
FDC(Fleur De Coin)|完全未使用
製造時の状態をほぼそのまま保っている未流通コイン。 打刻直後に近いコンディション。
UNC(Uncirculated)|未使用
製造時の状態を保った未流通の状態。 時代経過によるトーンや多少の汚れは認められるものの、 主要デザインは鮮明で、全体として非常に良い保存状態。
AU(About Uncirculated)|準未使用
未流通かそれに近い状態。 ごく僅かなキズは認められる。
EF(Extremely Fine)|極美品
流通した際のキズや摩耗は多少あるが、 本来のデザインが明確に判別できる。
VF(Very Fine)|美品
流通した際のキズや摩耗が全体にわたって確認でき、 細部は不明瞭となっている場合が多いが、 本来のデザインは十分判別できる。
F(Fine)|並品
全体的に摩滅が進み、 一部デザインが不明瞭。
VG(Very Good)|劣品
流通したことによる摩耗が激しく、 デザインが不明瞭で傷も多い。

コインについて

古代コイン(Ancient Coin)
紀元前から西ローマ帝国崩壊(5世紀頃)までの古代文明が発行したコインのこと。 ギリシャ・ローマ・ビザンツ・ケルトなど、当時の政治・宗教・文化がそのまま刻まれており、 すべてが手作業で製造されていたため、個体ごとに特徴が大きく異なる。
アンティークコイン(Antique Coin)
一般に製造から100年以上が経過した歴史的なコインのこと。 古代のような手打ち貨幣から、近代の機械打ちへ移行する時代にまたがるため、 多様な魅力が存在する。
モダンコイン(Modern Coin)
現行の貨幣制度のもとで、近代的な造幣技術により造られたコインのこと。 アンティークコインが一般に製造から100年以上経過したものを指すため、 モダンコインは100年以内のものを指すことが多い。
記念コイン(Commemorative Coin)
特定の出来事・人物・節目の年などを称えて発行されるコインのこと。 発行国の造幣局が公式に製造し、額面を持つ貨幣でありながら、 実際には収集・記念目的で流通しないケースも多い。
地金型金貨(Bullion Coin)
金の価格に連動する投資用の現代金貨。 メイプルリーフ金貨、ウィーン金貨、カンガルー金貨などが代表例。
トークン(Token)
国家ではなく民間企業や地域団体などが独自に発行した代用貨幣のこと。 公式の硬貨が不足した時代や地域で、支払い手段として限定的に使用されていた。 ジェトン(Jeton)も同様で、主にフランス語圏で使われることが多い。
メダル(Medal)
額面を持たず流通を目的としない記念・芸術目的の金属作品。 コインとの境界は時代により曖昧で、 歴史的出来事や人物、式典などをテーマにしたものが多く見られる。

用語集

打刻(Strike)
デザインを金属に刻む打刻工程。強弱により仕上がりの鮮明さが変わる。 打刻が強く鮮明に決まったコインは「良好なストライク」、 反対に細部が弱く出たものは「弱打ち(Weak Strike)」と呼ばれる。
再鋳貨(Restrike)
過去に発行されたコインと同じデザインを、 後になって新しく作られた金型(極印)で再び製造したコインのこと。
試鋳貨(Pattern)
新しい貨幣を正式に発行する前に、デザイン・文字・仕様などを検証するために 試しに製造されたコイン。 流通を前提としておらず、現存数も極めて少ない。
ダイ(Die)
コインを打ち出す際に、金属へデザインを転写するための金型。 日本語では「極印」とも呼ばれる。
加刻印(Countermark)
既に存在するコインの上から、後の時代に刻まれた追加の刻印。 別地域での使用や新額面としての再流通を可能にした。
オバース(Obverse)
コインの表面を示す用語。略称は「Obv」。
リバース(Reverse)
コインの裏面を示す用語。略称は「Rev」。
トーン(Toned)
経年変化で表面に色味が生じた状態。 自然なトーンは高評価になることもある。
二重打ち(Double Struck)
打刻工程で金型がずれて複数回当たり、 デザインが二重に見えるエラー。
スクラッチ(Scratch)
表面に入った線状の傷。深さや目立ち具合により評価に影響する。
ヘアライン(Hairlines)
スクラッチより細く浅い線状の傷。 拭き取りや磨きによって生じやすい。
クリーニング(Cleaned)
表面を人工的に磨いた状態。 NGC・PCGSではDetails評価の代表的理由。
ディテール(Details)
真正と認められつつ、状態問題により数値グレードが付かない評価。
ミルクスポット(Milk Spot)
銀貨表面に現れる白い斑点。製造工程由来で除去が難しい。
カーボンスポット(Carbon Spot)
黒や濃茶色の斑点状変色。外観評価に影響する。
ポピュレーション(Population)
鑑定機関に登録されている同グレードの枚数。 希少性の重要指標。
スラブ(Slab)
鑑定後にコインが封入される透明ケース。
エッジ(Edge)
コインの側面部分(縁)のこと。
① プレーンエッジ(Plain Edge)
縁に何の刻みも入っていない、滑らかな側面。「滑縁」とも呼ばれ、もっともシンプルなタイプ。
② リーデッドエッジ(Reeded Edge)
縦方向や斜め方向に細かい刻みが入ったエッジ。一般的に「ギザ縁」と呼ばれ、現代の硬貨でも広く採用されている加工。
※ミルドエッジ(Milled Edge)とも呼ばれる。
③ レタードエッジ(Lettered Edge)
縁に文字が刻印されているタイプ。文字は浮き彫り(陽刻)または沈んだ形(陰刻)で表現される。
④ デコレーティッドエッジ(Decorated Edge)
縁に模様や図案が彫り込まれたタイプ。海外では植物模様・幾何学模様などの装飾が施されることもある。
⑤ パターンエッジ(Patterned Edge)
特定の発行年や記念コインに採用される特別な模様のエッジ。王冠・星・植物など象徴的な意匠が入る。
⑥ セキュリティエッジ(Security Edge)
斜めの切れ込みや特殊パターンを組み合わせた偽造防止用の複雑なエッジ。
⑦ ミルドエッジ(Milled Edge)
細かい刻みが連続した精密なエッジ。18?19世紀ヨーロッパの硬貨で多く見られた。
※現代ではリーデッドエッジと呼ばれることが多い。
ミンテージ(Mintage)
特定のコインがその発行年に製造された数量。発行枚数を示す指標。
ミント(Mint)
コインを製造する場所。造幣所。
ミントマーク(Mintmark)
どの造幣所で製造されたかを識別するため、コインに刻まれる小さな記号。
アメリカのミントマーク
(P)フィラデルフィア / (W)ウエストポイント / (CC)カーソンシティ / (S)サンフランシスコ / (D)デンバー / (O)ニューオーリンズ
フランスのミントマーク
(A)パリ / (BB)ストラスブール / (W)リール / (K)ボルドー / (D)リヨン
イギリス一般的なコインの場合
原則ミントマークは刻まれず、ロイヤルミント製が基本。
イギリス貿易銀(British Trade Dollar)の場合
(B)ボンベイ / (C)カルカッタ /(マークなし)ロンドン
ドイツのミントマーク
(A)ベルリン / (D)ミュンヘン / (F)シュトゥットガルト / (G)カールスルーエ / (J)ハンブルク
スイスのミントマーク
(B)ベルン造幣所

コインの種類・仕様

ピエフォー(Piedfort)
通常貨の約2倍の厚みで作られた特別仕様のコイン。 発行枚数が少なく希少性が高い。
クリッペ(Klippe)
円形ではなく四角形にカットされたコイン。 16世紀北欧で流行した特殊形状。

シリーズ系

クイーンズ・ビースト(The Queen's Beasts)
1953年のエリザベス2世戴冠式に飾られた10体の「紋章獣」をモチーフに、現代的に再解釈してコイン化したシリーズ。 イギリス王室の紋章と深いゆかりを持つ動物が選ばれている。
グレート・エングレーバーズ・シリーズ
2019年に王立造幣局(ロイヤルミント)が開始した、19世紀の名作コインを現代の造幣技術で再構成した復刻シリーズ。 代表作として「ウナとライオン」「スリーグレイセス」などが挙げられる。
シルバー・ブリタニア・シリーズ
1997年に発行が始まった英国の銀貨シリーズ。 古代ローマがイギリスを「ブリタニア」と呼んだことに由来し、英国を擬人化した女神ブリタニアが描かれている。
ベントレー・コレクション
英国ソブリン金貨コレクションの中でも屈指の名コレクション。 ソブリン金貨のみを34年かけて収集した体系的コレクションで、オークション市場でも高い評価を受けている。

金貨・銀貨の種類

ソブリン金貨
1489年にヘンリー7世が王権を示すために発行したのが始まり。 「ソブリン(君主)」という名は君主の権威を象徴することに由来する。 1817年に近代的な金貨として復活し、歴代君主の肖像が描かれる イギリスを代表する金貨。
ダリク金貨
旧約聖書にも登場する古代ペルシアの金貨。 当時の国際標準通貨として高い価値を持ち、 古代コインの中でも特に人気が高い。
ギニー金貨
1663年から発行されたイギリスの金貨。 アフリカ西海岸ギニア産の金を用いたことから名づけられ、 1817年の通貨改革でソブリン金貨へと引き継がれた。
エンジェル金貨
1465年に発行が始まったイングランドの金貨。 表面には大天使ミカエルが描かれ、 護符やお守りとしても扱われていたことで知られる。
ノーブル金貨
14世紀にイングランドで発行された、 同国初の本格的な金の法定通貨。 高い品位と重量により国際的な信用を得た。
ルイドール金貨
1640年にフランスで発行が始まった金貨。 フランス革命により廃止されたが、 後のフラン金貨やナポレオン金貨に影響を与えた。
ソリドゥス金貨
4世紀初頭にコンスタンティヌス大帝が導入した金貨。 千年以上にわたりヨーロッパの金貨基準となった。
ユナイト金貨
ジェームズ1世がイングランドとスコットランドの王位統合を 記念して発行した金貨。
エレクトラム貨
金と銀の天然合金で作られた、 世界最古のコインとされる貨幣。
フランカピエ(Franc a pied)
「起立しているフラン」という意味を持つフランス金貨。 シャルル5世が立った姿で描かれていることに由来する。
テトラドラクマ(4ドラクマ銀貨)
古代ギリシャで広く流通した高額銀貨。 地中海世界における国際通貨として重要な役割を果たした。
クラウン銀貨
16世紀以降イギリスで発行されている大型銀貨。 近代以降の標準サイズは直径約38.6mm、重さ約28.28g。

彫刻家

ウィリアム・ワイオン
1795年生まれ。14歳で父ピーター・ワイオンの弟子となり、若くして彫刻の道を歩み始めた。 25歳で王立造幣局の彫刻師補佐に就任し、33歳でチーフデザイナーとなるなど早熟の才能を示す。 若きヴィクトリア女王の気品と輝きを数多くの貨幣に刻み込んだ、コイン史に名を残す彫刻家。

その他(歴史・図像・周辺用語)

ファスケス(Fasces)
日本語では「束桿斧(そくかんふ)」と訳される、権威と統治を象徴する古代ローマの象徴。 執政官の権力を示すシンボルとして用いられ、後世の紋章やコインデザインにも影響を与えた。
ドラクマ
ギリシャ語で「掴む」を意味する dratt? に由来する貨幣単位。 もとは鉄製の棒6本分を基準とした重量単位だった。
神聖ローマ帝国
962年から1806年まで続いた国家。 古代ローマ帝国の後継を名乗り、皇帝の神授権思想を基盤とした中世ヨーロッパの大国。
射撃祭
中世以降のヨーロッパで発展した市民行事。 都市防衛の訓練が祝祭化し、現在も伝統行事として続いている。
ニュルンベルク(Nurnberg)
神聖ローマ帝国の自由都市のひとつ。 商業・造幣・文化の中心地として栄え、「ラム・ダカット」が有名。
聖ジョージ
イギリスの守護聖人。 ドラゴン退治の伝承で知られ、ソブリン金貨の裏面に描かれる代表的モチーフ。
女神アテナ
知恵・学芸・戦略を司るギリシャ神話の女神。 多くの古代ギリシャ貨幣に描かれた象徴的存在。
ステート・ダイアデム
1820年制作の英国王室のティアラ。 1333個のダイヤを配し、エリザベス2世も公式行事で着用した。
ヌミスマティスト(numismatist)
コインコレクターを指す言葉。 ルネサンス期には教養的・知的探究として重視された。
カタログ
コインの写真・発行年・タイプなどを整理した基準書。 同定や取引の共通基盤として用いられる。
カタログ番号
カタログ上で各コインに割り当てられる識別番号。 鑑定・取引・同定の共通言語となる。
【 お電話でのお問い合わせ 】
電話番号0120-984-595
受付時間:平日10:00〜16:00(土日祝日除く)受付時間:平日10:00〜16:00(土日祝日除く)

※フォームやLINEからのお問い合わせも承っております