金地金(インゴット)と金貨を比較|どちらを買うべき?

金地金(インゴット)と金貨を比較|どちらを買うべき?

このコラムを3行でまとめると...
  • 金地金(インゴット)と金貨の違いを、購入コスト・相続のしやすさ・換金性・保管面から比較します。
  • 短期的な低コスト投資には金地金、長期保有や資産継承には地金型金貨が向いている理由を解説します。
  • 金貨のなかでも資産価値を高める選択肢として、アンティークコインの特徴や魅力も紹介します。


金投資のなかでも金地金(インゴット)と金貨は同じような特徴があるため、「どちらを選ぶべきか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
しかし、それぞれの特徴を細分化すると、購入コストや相続しやすさ、投資商品としての信頼性といった点で違いが浮き彫りになります。
このような違いをしっかりと理解しておけば、自身にとって最適な資産防衛手段を選択できます。

本記事では、金地金と金貨の違いを4つの比較ポイントに分けて詳しく解説します。
さらに、それぞれの投資商品と相性が良い人の特徴も紹介しているので、この記事を読むだけで自然に適切な選択を取れるようになるはずです。
これから金投資を始めてみたいという方は、ぜひ参考にしてください。

 

ゆきひろ
この記事の執筆者:  ゆきひろ (柳本 幸大)

投資家兼金融/経済専門ライター


目次 ― CONTENTS


 

❖金地金(インゴット)と金貨の決定的な4つの違い

実物資産である金は、大きく分けるとインゴットと呼ばれる「金地金」と、純度が高く金相場に価格が連動する「地金型金貨」、歴史的価値や美術的価値のある「アンティークコイン」の3種類に分かれます。

まずは、金のなかでも代表的な実物資産である「金地金(インゴット)」と「地金型金貨」の2種類に絞って違いを解説します。
具体的な違いは次の通りです。

比較項目 金地金 地金型金貨
購入コスト 購入数量によってバーチャージがかかる 金地金よりも最小購入単位が小さいが、プレミアムが発生する
相続・分割のしやすさ 分割も可能だが加工コストが高額になることも 1枚ずつ小分けにできる
換金性・信頼性 換金性は高いが、地金型金貨に比べて信頼性がやや劣る 換金性も信頼性も高い
保管・持ち運びのしやすさ サイズが大きくなりやすく、それに応じた保管スペース・コストが必要 資産を分割しやすく保管・持ち運びが容易

自身にとって最適な資産防衛手段を検討するには、両者の違いをしっかりと理解しておくことが重要です。
4つの比較項目に沿ってそれぞれの違いを解説します。


1. 購入コストと「プレミアム」の正体

金地金と地金型金貨はどちらも99.99%の純度が確保されており、金(ゴールド)に連動するように価格が推移します。
ただし、5gから購入できる金地金に対し、地金型金貨は10分の1オンス(約3.1g)が最小単位となるため、地金型金貨のほうが購入コストを抑えやすいといえるでしょう。

金地金と地金型金貨を選ぶ際は、手数料も忘れてはいけません。
金地金は「バーチャージ」、地金型金貨は「プレミアム」と呼ばれる手数料がかかるため、購入コストには若干の違いが現れます。

バーチャージ
500g未満の金地金を購入した際に発生する手数料で、購入先によって金額が異なる

プレミアム
金塊から地金型金貨へと加工するための製造コストや、海外から日本へと輸入する際の輸送費など、購入コストに上乗せされる費用のこと

いずれもサイズが大きい商品を買ったほうが手数料の負担は小さくなります。

このように投資商品によって価格や購入コストが異なるため、事前によく情報を調べておくことが大切です。


2. 相続・分割のしやすさ

金地金は不動産と違って固定資産税がかからず、さらに資産も分割しやすいため、相続対策用の投資商品として広く活用されています。
金そのものを物理的に分ける「現物分割」や、売却後の現金を相続人同士で分ける「換価分割」など、さまざまな分割方法を活用できるのが魅力です。

しかし、現物で分割する際は、その重量単位がネックになることもあります。
例えば、1kgの金地金を分割するには、特定の規格(100gや200gなど)に合わせて加工し直す必要があり、製造コストが高額になることも珍しくありません。

一方、地金型金貨であれば、子供や孫に1枚ずつ小分けにして、容易に生前贈与や遺産分割を行うことが可能です。
サイズが大きくなりやすい金地金に比べて相続しやすいメリットがあります。


3. 換金性と「本物」を証明する鑑定の重要性

金地金と地金型金貨は、どちらも高い換金性が備わっています。
当社PRIME MINTをはじめ、金の買取専門店に持ち込めば即座に現金化が可能です。

ただし、信頼性に関しては若干の差があります。
「本物」として安心して購入できるのは、金地金よりも地金型金貨です。

地金型金貨は政府(日本では財務省管轄の造幣局)が発行しており、公的な信用によって安全性が保証されています。
一方の金地金は、LBMA(ロンドン貴金属市場協会)といった品質を保証する機関は存在するものの、あくまで信頼性はメーカーや販売会社といった民間企業に依存しています。
つまり、金地金のほうが、市場に偽物が出回るリスクが高くなるということです。

事実、2025年11月には、大手貴金属会社の刻印を偽造した金地金を売却したとして、男女8名が詐欺と有印私文書偽造・同行使容疑で逮捕されました(※)。
金地金と地金型金貨を選び分ける際には、価格やコストだけでなく、「安全に購入・売却できるか」という観点も忘れないようにしましょう。

※参考:密輸や詐欺被害の金地金、大手貴金属会社の「刻印」偽造し売却か…中国籍の男ら8人を容疑で逮捕|読売新聞


4. 保管・持ち運びのしやすさ

まとまった金額で金地金を購入するとサイズが大きくなりやすい難点が生まれます。
サイズが大きくなるほどより広い保管スペースが必要で、銀行の貸金庫に預けようとすれば別途手数料が発生してしまいます。

その点、地金型金貨は1枚ずつ資産を分散できるため、金地金ほど保管スペースを取りません。
コンパクトな収納箱やセーフティボックス、小さめのバッグにもおさまるため、収納だけでなく持ち運びも容易です。
保管に必要なスペースやコストを最小限に抑えつつ、効率良く資産を保有したい方にとって、地金型金貨は有効な選択肢になり得ます。



❖地金型金貨とアンティークコインの違い

同じ「金貨」というジャンルでも、地金型金貨とアンティークコインでは性質が大きく異なります。

比較項目 地金型金貨 アンティークコイン
金の純度(品位) ほぼ100% さまざま
金価格との連動性 金価格と同じ動き 異なる動き
換金性 高い 高い
価格の透明性 高い やや劣る
付加価値 ほぼない さまざま
歴史的価値・芸術的価値 乏しい さまざま

99.99%の純度が確保されている地金型金貨に対し、アンティークコインの純度は商品によってさまざまです。
そのため、価格も金相場と連動しているわけではなく、以下のように歴史的価値や希少性、コレクションとしての需要といった付加価値(その他の価値)によって決まります。


市場公開資料を元にPRIME MINTにて作成

地金型金貨の正確な価格は、貴金属会社のホームページで公開されています。
一方、アンティークコインは数十万以上と非常に種類が多いため、専門会社で鑑定してもらわない限り、正確な価格を把握するのは困難です。

ただし、金そのものの価格だけでなく、さまざまな付加価値によって高いキャピタルゲインが期待できるのは、アンティークコインならではのメリットだといえるでしょう。
PRIME MINTでも多様な付加価値を持つアンティークコインを販売しているので、ぜひ以下のページからご確認ください。

  PRIME MINTで販売中のコイン一覧を見る ❯  



❖【シミュレーション】2026年最新価格でのコスト比較表

2026年7月16日時点の価格を参考にした場合、金地金と地金型金貨の購入コストはどのようになるのでしょうか。
ここでは田中貴金属の「貴金属価格情報」をもとに、金地金とメイプルリーフ金貨のコスト比較表を紹介します。

現在の金地金の価格は、1gあたり23,450円です。
そのうえでサイズごとの購入価格は次のようになります。

サイズ 購入価格
5g 117,250円
20g 469,000円
50g 1,172,500円
100g 2,345,000円
1kg 23,450,000円

メイプルリーフ金貨の価格は、1オンス(約31.1g)あたり773,772円です。
以下のようにグラム単価も算出することで、金地金と比較しやすくなります。

サイズ 購入価格 グラム単価
1オンス(約31.1g) 773,772円 24,880円
1/2オンス(約15.6g) 394,255円 25,272円
1/4オンス(約7.8g) 203,966円 26,149円
1/10オンス(約3.1g) 83,520円 26,941円

実際には上記の価格に加え、バーチャージやプレミアム、スプレッド(販売価格と買取価格との差額)といったコストも発生します。



❖【診断】金地金と金貨、どっちがおすすめ?

ここまでに紹介した金地金と金貨の違いを参考にすれば、「どちらが自身に向いているか」が見えてきます。
それぞれの投資商品と相性の良い人の特徴について詳しく解説します。


短期的な利益と「圧倒的な低コスト」を重視するなら金地金

金地金の最大のメリットは、一度に500g以上購入すればバーチャージが不要になる点です。
手数料をほとんど気にせずに済むため、できるだけ低コストで金投資を始めたい方に向いています。

ただし、サイズが大きくなるに連れてデメリットが増える点には注意が必要です。
遺産相続に向けた現物分割が難しくなるほか、サイズの大きい金地金を保管するための物理的スペースや資金を用意する必要もあります。
長期的に資産を保有するのであれば、保存性に優れた金貨を選ぶのがおすすめです。


家族への継承と「いざという時の流動性」を重視するなら地金型金貨

地金型金貨は、資産を小分けにできる点と、省スペースで長期的に資産を保管できる点に強みがあります。
サイズの大きい金地金を分割する手間やコストは必要ありません。
いざという時に備えて、子どもや孫に少しずつ資産を譲り渡すといった柔軟な対応が可能です。

また、金地金に比べて地金型金貨はデザイン性にも優れています。
例えば、カエデの葉が描かれているメイプルリーフ金貨や、パイプオルガンのデザインに特徴があるウィーン金貨ハーモニーなどが代表的です。
受け取る側も「美しいプレゼント」として情緒的なメリットを享受できるでしょう。

家族のために手間なく確実な形で資産を残したい方は、地金型金貨を選ぶのがおすすめです。


歴史的価値による「プレミアムの上乗せ」を狙うならアンティークコイン

金貨のなかでも歴史的背景や希少性といった付加価値が上乗せされるアンティークコインも、金投資の選択肢の一つに挙げられます。
アンティークコインは金相場が下落した際でも価格が下がりにくいため、価格の安定性に優れるメリットがあります。

また、年月の経過とともに価格が上昇しやすいのも特徴です。
特に希少価値の高いアンティークコインは、世界中のコレクターが常に探し求めていることから、時代を経るにつれて流通量が減り、需要の増加に伴って価値が高まります。

金価格の高騰と歴史的価値の向上という「二重の利益」を狙えるのは、まさにアンティークコインならではの強みです。
希少品を所有する喜びを味わいつつ、長期的に資産を育てたい方にとって最適な投資先となるでしょう。



いざ地金型金貨やアンティークコインに投資しようにも、数多くの種類が存在するため、「どれを選んで良いかわからない」と悩んでしまうことも多いはずです。
そこで、なかでもおすすめの金貨を以下5つ厳選し、それぞれの特徴を詳しく解説します。

イギリス ジョージ1世 ハーフギニー金貨

オーストリア 雲上の女神 100コロナ金貨

フランス エンジェル 100フラン金貨

イギリス ジュビリーヘッド 1ソブリン金貨

イギリス ジョージ6世 5ポンド金貨

ぜひ、ご自身に合った金貨選びの参考にしてください。

※当記事は金貨に関する一般的な情報提供を目的としております。

アンティークコインは、お客様の予算や投資目的、重視されるポイントによって最適な一枚が異なります。
そのため、本記事でご紹介した5枚がお客様にとって最適な選択とは限りません。
この記事の内容だけで購入を判断されるのではなく、ご不明な点や購入をご検討の際は、ぜひ気軽にご相談ください。

お客様の予算や目的に合わせた一枚をご提案いたします。


イギリス ジョージ1世 ハーフギニー金貨

1725年にイギリスで発行されたハーフギニー金貨で、1714年に王位を継承したハノーヴァー家のジョージ1世が描かれています。

もともとギニー金貨は1663~1881年の間に発行されていましたが、特に1700年代は、欧州の政変や貨幣制度の転換点、そしてイギリスが大国として存在感を発揮し始めた時期であり、市場での評価が高くコレクターからも多くの支持を集めています。

なかでもハーフギニー金貨は、5ギニー金貨のような大型金貨に比べて購入しやすい価格帯であることから、将来的に売却を検討する際にも買い手が見つかりやすい点が魅力です。
こうした売却時の需要が期待できる点は、長期的な資産としてアンティークコインを保有するうえで大きな魅力の一つといえます。


オーストリア 雲上の女神 100コロナ金貨

1908年にオーストリア帝国の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の在位60周年を記念して発行された100コロナ金貨です。
表面には威厳に満ちた皇帝の肖像が描かれており、裏面には国家の理念を象徴する「雲上の女神」がデザインされています。
単なる記念貨幣にとどまらず、優美なデザインと芸術性の高さから、オーストリアを代表する名品の一つとして知られています。

また、本コインは宝塚歌劇の人気演目「エリザベート」などを通じて広く認知されており、日本国内でも特に人気の高いアンティークコインの一つです。
知名度が高く安定した需要があることから、多くのコレクターに支持され、資産価値の面でも高く評価されています。

さらに発行枚数の少なさも希少性に拍車をかけています。
もともとの発行枚数は16,026枚でしたが、現存する良好な状態の金貨は極めて限定的です。
資産価値としての信頼性が高い点は、本商品の大きな強みだといえるでしょう。


フランス ラッキーエンジェル 100フラン金貨

幸運を呼ぶ象徴としてフランスで長く愛されている「ラッキーエンジェル」が描かれた100フラン金貨です。

ラッキーエンジェルの名称は、デザインを手がけた彫刻家オーギュスタン・デュプレが、フランス革命の動乱期に処刑されそうになった際、ポケットに入っていた天使のコインに救われたという逸話に由来するといわれています。
フランス人にとっては伝説的な逸話として語り継がれており、コレクションアイテムとして特別な愛着が持たれています。

加えて、フランスの象徴である「ガリアの雄鶏」や権力の象徴「ファスケス」、ナポレオン3世の失脚によって生まれた新たな国家理念など、発行当時(1882年)の時代背景や理念も美しいデザインとして描写されています。
幸運のお守りとしての顔と、歴史を映すアンティークコインとしての顔を併せ持っており、発行から100年以上経過した現代でも多くのコレクターから注目を集めています。


イギリス ヴィクトリア ジュビリーヘッド 1ソブリン金貨

1887年にイギリスで発行されたソブリン金貨で、「ジュビリーヘッド」と呼ばれるヴィクトリア女王の肖像がデザインされています。
この年はヴィクトリア女王の即位50周年にあたり、その節目を記念して新たな肖像が採用されました。
歴史的な節目に誕生したことから、ヴィクトリア女王の治世を象徴するソブリン金貨の一つとして高く評価されています。

ソブリン金貨は、世界中のコレクターから長年愛され続けているアンティークコインの代表格です。
ヴィクトリア女王のソブリンには「ヤングヘッド」「ジュビリーヘッド」「オールドヘッド」の3種類の肖像が存在し、それぞれを揃えることを楽しみとするコレクターも少なくありません。
ジュビリーヘッドは、歴史的価値とコレクション性を兼ね備えた人気の肖像タイプとして、多くのコレクターに支持されています。


イギリス ジョージ6世 5ポンド金貨

1937年にイギリスで発行された、当時の国王ジョージ6世が描かれた5ポンド金貨です。
ジョージ6世は、吃音という大きなハンディキャップを抱えながらも、質実剛健な人柄と強い責任感で多くの困難を乗り越えたことから、現在でもイギリス国民から深い敬愛を集めています。

イギリスの5ポンド金貨は、歴代国王・女王ごとに発行されたコレクション性の高いシリーズとして人気を集めています。
なかでも、ヴィクトリア女王以降の歴代君主による近代5ポンド金貨を揃えることは、英国コインを代表する王道コレクションの一つです。
ジョージ6世の5ポンド金貨は、そのコレクションを完成させるうえで欠かせない1枚であり、「シリーズを完成させたい」という需要は価格を支える要因の一つにもなっています。



❖2026年最新:金投資で絶対に避けるべき3つの失敗

金地金や金貨は優れた資産防衛手段ではあるものの、知識不足が思わぬ失敗を招く可能性もあります。
特に次の3つのポイントに関しては、投資をスタートする前にリスクや注意事項を十分に検討しておきましょう。

手数料負けのリスク:
少額で何度も金地金や金貨を購入すると、その都度手数料が発生し、利益よりも手数料が上回る「手数料負け」に陥る可能性がある。投資効率を高めるには、適度な購入数量を把握しておくことが重要。

保管ミスによる価値の減少:
金貨やアンティークコインの場合、保管中に指紋がつく、湿気が多くてサビるなど、保管中の些細なミスが原因で価値が下がる恐れがある。個別のカプセルやケースに入れるなど、丁寧な扱いが求められる。

税務上の注意点:
金地金や金貨を売却して得た利益は、譲渡所得として課税対象になる。所得が50万円を超えた場合は確定申告が必要で、申告漏れになると重加算税といったペナルティが科されるリスクがある。



金地金と金貨は、それぞれ異なる強みを持った優れた実物資産です。
短期的な利益を求めるのであれば、購入コストを最小限に抑えられる金地金が適していますが、長期的な保有や相続・継承を考えている方には、保存性に優れ、資産を分割しやすい金貨が向いています。

金貨のなかでも特にアンティークコインは、金相場に依存しない独自の付加価値がつくため、資産防衛手段やインフレ対策としても効果的です。
今回紹介した5つの金貨のほか、当社PRIME MINTでは数多くのアンティークコインを扱っているので、さまざまな商品から最適なものを探してみてください。

当社のLINEでは、アンティークコイン投資に関する具体的なノウハウや手法を紹介しています。
以下のボタンから無料で資料を受け取れるため、これから投資の第一歩を踏み出したい方はぜひ参考にしてください。




一覧に戻る